浮気調査みんなが知らない日本の不倫の実態とは?

みんなが知らない日本の不倫の実態とは?

ニュース報道で取り上げられることも多い不倫と浮気ですが、実態は一体どのようなものなのでしょうか。ニュース報道で取り上げられる内容を、画面を流れていくただの情報として考えるのではなく、自分にも関係のあるものだと考えて見ると受け取り方や、自分の生活に及ぼす影響の強さが変わってくるものです。

例えば、交通事故の報道が近所であったら、明日自分にも同じようなことが起きるかもしれないと運転に気を付けるようになるかもしれませんが、交通量がとても少ない街に住んでいて、自分の周りでは事故なんて起きたことがないという人にとっては、事故の報道も他人事に思えてしまうものです。

同じように、浮気や不倫が発覚して社会的立場を失ってしまったり、離婚や慰謝料請求のトラブルに巻き込まれてしまったりするという報道を見ても、自分の周りで実際にどれほど起きていることなのかを知らなければ、他人事に感じられます。しかし、もし実態を知るならば、現実味が増して自分や配偶者の言動にもより一層関心を払うようになることでしょう。

それで、浮気や不倫の実態を取り上げたいと思います。古今東西、浮気や不倫がなくなることはかつて無かったと言っていいでしょう。それほどまでに人々の心を狂わせる危険性のある浮気や不倫に関して現実味を深め、より一層夫婦として強いきずなを築いていくことができるよう、独身の方も既婚者に誘惑されることがないように警戒し続けるようにしましょう。

また、不倫がどれほどの割合で行われているかというだけでなく、不倫が及ぼす破壊的な影響力が生活をどのように変化させてしまうかということも取り上げ、誘惑に遭ったときの抑止力となるよう考えていきたいと思います。

1.日本の不倫の実態とは?

最初に日本の不倫の実態を考えましょう。不倫の実態を調査するために数々のアンケートが行われてきましたが、今回はその中のいくつかのデータから、日本人の不倫をしている人の割合とそこから考えられるデータを考察しましょう。

1-1.経験者は2割以上

アンケートによると「あなたは不倫をしたことがありますか?」という問いに「はい」と答えた人が27%、「いいえ」と答えた人が71%いたようです。経験がないと答えた人の中でも、身近な人が不倫経験ありと答えた人は半数以上に上りました。
また、不倫の定義は肉体関係があったかどうかが決め手となりますが、肉体関係まではいかないものの、キスをしたり、好意をこっそり抱いていてそれを行動に移したりしたことがあるという人も加えると全体の4割近くが不倫に類する行動をしたというデータも出ています。

1-2.現在も継続しているという人もいる

上記データを見て気づかれた方もいると思いますが、不倫経験があるかどうかという問いに「はい」と答えた27%と「いいえ」と答えた71%を加えると98%になり2%足りないことになります。この2%は「経験があるのか?」という問いには当てはまらない「現在進行中で不倫をしている」人たちです。

不倫は一度きりの迷いによる配偶者への裏切りで、その後は心が痛んですぐにやめるという人も多いようですが、その中でも関係がずるずると続いていってしまうパターンもあるようです。

2.男女での不倫の比率とは

上記データは全体の比率でしたが、男女比を詳しく分けてさらに考えていくとどのようなデータが出るのでしょうか。自分の配偶者に及ぶ危険や、自分に及ぶかもしれない誘惑に対する警戒を強めるために、具体的な数値まで分析していきましょう。

2-1.男性は5割ほどの人に経験がある

アンケートに答えた人のうち、男性の42.9%が「不倫経験がある」と答えたようです。男性は女性よりも性的欲求が強く、遺伝子的にも一人の女性だけでなく様々な女性と関わりを持つことに喜びを感じるようだというデータもありますので、その学説が論証されたかたちになりました。

2-2.女性は2割未満しか経験者がいない

対して女性は11.8%しか「不倫経験がある」と答えた人はいませんでした。女性の不倫が増加傾向にあるというデータもあったので、この結果は意外なものとなりましたが、厳密な不倫の肉体関係という枠組みを少し広げてそれに類する行為や恋愛感情を抱いた人も含めると、さらに割合は向上するものと推測できます。

2-3.不倫をしやすい年齢とは?

不倫の割合と男女比について考えてきましたが、不倫と年齢に関係はあるのでしょうか。調査データを見ると、答えがYESであることがわかります。では、具体的なデータを比較しながら、考察していきましょう。

当然ながら男女ごとに不倫しやすくなる年代層は違います。ホルモンのバランスにより性的欲求が強まる時期にズレがあることと、ライフスタイルにより時間が取れる時期の移り変わり、つまり子育てや仕事上の役割の変化などが不倫への誘引力の強さにも影響を及ぼすからです。それで、ここでも男女別にデータを分析していきたいと思います。

では具体的なデータを見てみましょう。男性の不倫しやすい年齢は50代が一番多いと言われています。なぜその年齢層が一番不倫への誘因力が強くなるのでしょうか。50代を過ぎると、夫婦生活においても仕事の面でも熟達してくる頃です。

働き盛りを過ぎて金銭的にも余裕がある反面、その年齢層まで夫婦としての強いきずなを維持し続けるのは容易なことではありません。

それまでの時期は子育てが夫婦の会話やコミュニケーションに一役買っていたとしても、50代に差し掛かると子供も独立し始める年代になるので夫婦としての生活に工夫がなければほかの場所に刺激を求めてしまうような時期だといえます。

また、金銭的にも振る舞いにも余裕が感じられるので他の女性から魅力的に見える時期でもあります。

そのような条件が相まって不倫へと走ってしまう男性が多いようです。男性として性的欲求はいつまでもあまり弱まることはないようですが、今まで仕事や子育てに向かっていた情熱が行き場をなくし、かつ他の女性からも魅力的に見える時期になってしまうので50代の頃が男性にとって不倫衝動と闘うことが一番難しい時期であるといえるのです。

次に多いのは、30代および40代のころです。この年代は結婚から数年後で結婚当時の情熱が落ち着いてくる頃です。夫婦として過ごす時間が長くなると、お互いの言動にドキドキしたり驚いたりということがなくなり、いわば刺激がなくなってしまうようになるでしょう。

むしろ、お互いの長所が目立たなくなり、弱点にばかり目が行ってしまうようになる時期でもあります。

そのような時期に子供ができると、忙しい日々の中でお互いのケアも十分にできないままケンカが増えてしまったり、夫婦関係が疎遠になってしまったりするかもしれません。男性はそのような状況に寂しさを感じますが、女性は子育ての忙しさもあり、コミュニケーションを十分に取れないまま関係が悪化していってしまうでしょう。

30代や40代のころですと働き盛りで仕事も忙しくなる時期ですので、そのストレスや疲れも相まって、癒してくれるような女性との関係へといざなわれてしまうことでしょう。

では、女性はどうでしょうか。女性の不倫で最も多いのは40代のころだと言われています。子育ての忙しさから解放され、自分の時間を取れるようになる時期がこの年代のころであることが多いからです。

独身時代から何か趣味を持っていた場合はその趣味に没頭できる時間ができたと積極的にとらえられるかもしれませんが、もしそのような趣味がなければ、空いた時間を埋め合わせようと何か新しいことに挑戦しようという気持ちになるかもしれません。

当然夫は働き盛りの時期ですので、夫とともにいる時間に充てることはできません。もし新たな挑戦として選んだ習い事や趣味の場に魅力的な男性がいて、関心を向けてくるようであれば、妻にとってとても危険な誘惑となります。

また、40代は女性の性的欲求が一番強くなる時期でもあるようです。働き盛りの夫と性関係が持てなくなっている時期が続くとそのような状況も不倫の誘因力に抵抗し難くなる一因となりえます。

次に女性の不倫で多いのが30代のころのようです。子育て真っ盛りという人が多いこの年代になぜ不倫が増えてしまうのでしょうか。

30代の子育て時期は、何かと初めてのことばかりで、子育てに関する慣れないことをしなければならなかったり、自分のことを考えるのではなく子供を中心に考えて行動していくようにとライフスタイルを大きく変えなければならなかったり、子供の成長に関する将来の不安があったり、保育施設や学校や近所のママ友との交流に慣れなければならなかったりと、大きなストレスを感じる時期でもあります。

そのようなときに夫が協力的な態度を取ってくれればよいのですが、お互いに時間が取れず、ストレスが解消できないまま時間が流れていってしまうと、そのストレスのはけ口が必要になってきます。

また、ストレスの及ぼす影響はイラつくようになるというだけではなく、自分が気遣われていないということへの強い寂しさを感じるようにもなってしまうということです。自分の感情をケアしてもらえないという寂しさが募ると、寂しさを紛らわせたいという気持ちから優しくしてくれる男性との不倫関係に入ってしまうこともあります。

上記データから、男性は30代から50代にかけて不倫の危険性が高まり、女性は30代から40代の時期が最も危険であることがわかりました。

3.不倫をしてしまう理由とは?

ここまでで、不倫に関するいくつかのデータを考えてくることができました。不倫経験がある人は全体の約三割に上り、男性の五割近くの人に不倫経験があるということもわかりました。これは決して低くない割合です。結婚は法律で守られており、自分の欲求に従って簡単に破っていいような条件ではないからです。

それで、なぜこれほどまでに現代に不倫が増えてしまっているのか、人々が不倫のリスクを報道で知っているにもかかわらず危険な不倫関係の罠に陥ってしまうのか根本原因を考えましょう。

3-1.不倫に興味があった

不倫という罠に陥る危険性があるかどうかは、不倫に興味があったかどうかということが大きな影響力を及ぼします。

不倫は犯罪ではありませんが、法律を破る行為です。法律を破るような犯罪において、「動機」と「実行に移す機会(アリバイ)」が争点となることが多いのと同じように、不倫をしたいという強い動機が伴わなければ、不倫関係の罠へと容易に陥ることはありません。

しかし、現代においては不倫関係を題材にした小説や映画やテレビドラマ、漫画などの娯楽媒体が増えてきているので、多くの人が不倫に興味を抱くようになっています。

だいたいの作品はバッドエンドに終わるようですが、中には略奪した人とハッピーエンドを迎えたり、不倫関係によって承認欲求や自己顕示欲を満たすことができたりするような構成になっている作品もあるようです。

たかが娯楽と感じるかもしれませんが、少量ずつ取り入れた毒が後々健康に大きな被害を及ぼすのと同じように、甘く楽しい娯楽に感じられても自分の価値基準に自分でも気づかないうちに影響を及ぼし、以前は考えることもなかった「不倫」という関係への妄想を楽しむようになっている自分に気づくようになるかもしれません。

他の犯罪と違って不倫に対する考え方は人によって違いがあります。それぞれの倫理観や育ってきた環境によるものかもしれませんが、不倫を許容するかどうかは自分の考え方次第で決められる、というような間違った考え方に影響されないようにしましょう。

不倫をすると最終的に悲劇を迎えることになります。離婚や慰謝料請求の訴えを起こされなかったとしても、愛する配偶者を裏切る行為ですので、夫婦関係が破綻に向かう可能性が高くなりますし、子供も幸福感を感じられなくなってしまうでしょう。

不倫の危険性や最終的に悲劇が待っていることを考えて注意を払うのは良いことですが、間違った関心や興味を示すことのないようにしましょう。

3-2.性欲を解消したかった

不倫をしてしまう原因の二つ目としては、性欲を解消したいという欲求に負けてしまうからです。性的欲求は食欲や睡眠と並んで人間の三大欲求とされています。それで、性的欲求が結婚関係内で解消されないと、不満がたまり不倫へと走ってしまうこともあるようです。

性的欲求がどれほど強いかは人によって違いがありますが、男性は10代後半から20代前半がピーク、女性は40代ごろがピークだとされています。とはいえ、男性の性欲にはピークはあるものの年齢によってあまり変動せず女性よりも強い人のほうが多いようです。

そのような性欲が満たされない状況が続くと大きなストレスを感じるようになります。人間はストレスがたまった状態だと、どんなに冷静で聡明な人であったとしても物事の判断が冷静にできなくなってしまうものです。そのような状況下でもし性欲を解消できるようなチャンスをちらつかされたら、善悪の判断にかかわらず不倫行為へと発展してしまうことがあるようです。

3-3.家庭で構ってもらえなかった

人間は本能的に承認欲求が備わっている生き物です。承認欲求とは、自分の存在を誰かに認めてもらいたい、自分が誰かの役に立っていることを自覚したいという欲求です。

家庭内で子供が生まれたばかりの時や、同居している配偶者の親族との関係が悪化しているような状況下では、家庭内に自分の居場所が見出せなかったり、存在意義を自覚できなかったりするような状況に追い込まれてしまうかもしれません。

ストレス下だと冷静な判断が下せなくなると上述しましたが、この場合にも寂しさにも似た感情が思いを占めてしまい、関心を示してくれる異性と精神的に深いつながりが生まれてしまうかもしれません。

男性の場合もそうですが、女性の場合は感情面での支えをより強く必要としています。性的な欲求があったわけではない相手とでも、感情面でのつながりを強く感じるようになると、結果的に不倫関係へと入っていってしまうこともあるようです。

3-4.退屈な生活から脱出したかった

結婚すると独身時代ほど日常生活に変化がなくなってしまうことでしょう。結婚して家を買ったり、子供が生まれたりすると、日常生活の拠点が定まり、容易に他の場所に移動することができなくなりますし、日常がルーティン化してしまい、時にはそれを退屈だと感じてしまうようになるかもしれません。

もちろん、それが普通のライフスタイルなので、そのライフスタイルに問題があるわけではありませんが、安定した生活に刺激を求めてしまうようになると、不倫をしてしまう可能性も高まります。

4.浮気をした人の結末

ここまでで、浮気や不倫をしている人の割合、どのような要因が不倫へと人を突き動かす原因になるのかなどを考えてきました。浮気や不倫の結末がどうなるのかということを知っておくことは、浮気や不倫を避けるうえで役立ちます。

物事を決定することは買い物をすることと似ているからです。小さな買い物をするときにはあまり意識しませんが、大きな買い物をするためには事前によく調査するはずです。

例えば車だと、それを買うことで生活にどのような影響が及ぶか、スペックなどは十分か、維持費にはどれほどかかりそうか、それを買うだけの資産があるか、ない場合は支払いをどうするか、気が変わって売ろうと思う場合、どれほどの価格で売れるのか、そのための手間はどれほどかかるのか、というようなことを考えるはずです。

同じように、大きな決定をするときにも、その決定が後々の自分の人生にどのような影響を及ぼすのか、どんな良い影響があって、どんな悪い影響が及ぶのか、失敗した時にどのような損失があるのか、決定を取り消すためにはどんな代償を払わなければならないのか、といったことを考えることでしょう。

安定した生活を送りたいと願う人は結婚生活を危機にさらしてまで不倫によって得られるものはなく、悪影響ばかりが残ってしまうということに気づかれるはずです。

では、浮気をした結末としてどのような悪い結果を刈り取ることになるのかを事前に知っておきましょう。自分の欲望や相手からの誘惑がどんなに対処しがたいものに思えたとしても、その結末を予測して決定するなら、後悔することのない賢い決定を下すことができるからです。

4-1.大切なパートナーと別れる

浮気をした結末としてまず思い浮かぶのは、大切なパートナーとの別れを経験しなければならないということです。

浮気は、配偶者や交際相手の信用を裏切り、人間関係を根本から揺るがす破壊的な影響力を持っています。自分を信じ切っている人を裏切ることになるので、相手の心に深く傷をつけることになるだけでなく、自分の心にも愛した相手を悲しませてしまったという良心の呵責を長い期間感じ続けなければならなくなるのです。

それだけではありません。当然のこととして、自分を裏切った人は今後も同じことを繰り返すかもしれないと疑われ続けたり、他の人と関係を持った交際相手や配偶者を受け入れられないと感じたりして別れを切り出されることも予測しておかなければなりません。

大切なパートナーと別れることになると、自分の感情面での必要を満たしてくれていた存在を失うことになります。

長い間一緒に過ごしていた相手だと、お互いの存在があまりにも自然なので、一緒にいるときにはその存在の価値に気づかないかもしれませんが、その存在を失った時に、失ったものの大きすぎる価値に気づき、茫然として何もやる気がおきなくなってしまうということも少なくないようです。

また、不倫相手がいるから配偶者との関係が終わってもいいと感じる可能性もあるでしょう。

しかし、不倫相手の存在は、あくまでも非公式で無責任な婚姻契約に守られていない関係です。配偶者と別れたと聞いて、怖くなって逃げてしまう不倫相手も少なくないでしょう。悲しい結末を避けるために、まずは冷静になって物事をよく考えるようにしましょう。

4-2.訴えられる

浮気が発覚すると、訴えられることもあります。裁判にまで発展してしまうと、その近所の人や、職場に情報が噂になって伝わることもあり、社会的な信用や立場を危うくすることもあります。

出廷命令があったときには仕事を休んで裁判所に出廷しなければなりませんし、弁護士を雇った場合の弁護士費用もバカになりません。また、裁判には何日も何か月もかかることも少なくありません。

長期間にわたる交渉や話し合いによって精神的に追い詰められてしまうという人もいるようです。金銭的にも、社会的立場的にも、時間の面でもかなりの損失となる結果となります。

あなたが既婚者で、不倫相手のことをだましていたとすると、事実を知った不倫相手もあなたに慰謝料請求訴訟を起こすことができます。配偶者からも不倫相手からも訴えられるとなると、精神的な安心感を求めて始めたはずの不倫関係が最悪な形で終結を迎えることになってしまいます。

また、裁判が始まると夫婦で顔を合わせたり、子供に会ったりすることも難しくなるかもしれません。できるだけ相手に会わなくていいようほかの場所で寝泊まりしたり、仕事に異常なまでに打ち込んだりして健康面での影響も出るかもしれません。

訴訟を起こされてしまうという可能性も否定しきれませんので、危険な不倫関係に陥ることのないよう気を付けたいものですね。

4-3.慰謝料を請求される

不倫は犯罪ではないものの、民法770条の離婚の条件のうちの一つに当てはまる行為です。条文には「配偶者に不貞な行為があったとき」に離婚の訴えができるものとされています。

不貞な行為は肉体関係があったことを示す言葉ですが、この点に関しては結婚に関して定めた民法752条にも抵触する行為です。民法752条には「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。」と定められています。

民法の条例文には明記されていませんが、この義務には夫婦としての基本的な貞操義務が含まれると解釈されています。貞操義務に違反するということは、配偶者以外の異性との性関係があった場合、つまり不貞な行為を意味していますので、不倫は離婚訴訟事由になるだけでなく慰謝料請求事由にもなるということがわかります。

慰謝料請求とは、失ったものを補填する意味合いがあるので、慰謝料請求訴訟の際には、配偶者の裏切り行為によって被った精神的なダメージや社会的な地位、信用の回復などの費用が請求されることになります。

この場合、不倫関係が始まる前の夫婦関係が良好だったのか、子供はいるのか、不倫相手との交際がどれほどの期間続いているのかなどが慰謝料の金額を決定するうえで重要なポイントとなってきます。

夫婦関係がすでに破綻していた場合には不倫という行為に関して情状酌量の余地があるものとみなされ、慰謝料額はあまり高額にはならないかもしれませんが、もしも配偶者に非がないのに自分の感情を満足させるために一方的に裏切っていたのだとしたら、配偶者に与えた精神的ダメージの大きさが考慮され、慰謝料が高額になる可能性が高くなるでしょう。

自分が独身で相手が既婚者だったとしても、相手が既婚者であることを分かっていて不倫関係を続けていたのだとすると、独身であったとしても裏切られた配偶者側から慰謝料請求をされることがあります。

慰謝料額の幅は広く100万円から500万円が相場だといわれています。平均的には200万円ほどが多いようです。

200万円を貯めることや、月々に少しずつでも払っていくイメージをすると途方もないような金額に思えるかもしれません。

感情的な必要を満たそうとして行ってしまった火遊びの代償がこれほどまでに高額であることを考えると、不倫や浮気をしてしまうことがないよう、身が引き締まる思いがすることでしょう。

4-4.会社をクビになることもある

不倫は民法に定められている夫婦の基本的責任を裏切り、離婚事由として定められている条件に当てはまるとはいえ、犯罪ではないので、会社側に事実が伝わったとしても、会社側は不倫を理由として解雇することは基本的にはできません。

もし解雇をした場合には「不当解雇」として会社側の問題が問われてしまうからです。しかし、会社をクビになったり、それに類する仕事上の大きな影響が出たりするケースも実際にあります。どのような場合に仕事に大きな影響が出てしまうのでしょうか。

大きく三つ、その不倫が職務に関係があった場合、不倫が職務に悪影響を及ぼした場合、不倫がセクハラに該当してしまう場合です。

不倫が職務に関係があった場合とはどのようなケースを指すのでしょうか。例えば、不倫相手が取引先の従業員やその関係者であった場合、職務時間内に不倫行為を行っていた場合、社内で不倫行為があった場合には職務に関わりのある不倫関係とみなされてしまうことでしょう。

なぜなら、そのような不倫はその職場でその職務についていなければ起こらなかったかもしれないものだからです。職務上の立場があったからこそ不倫をしてしまったという場合には、職場から解雇通告を受けてしまうこともあるでしょう。

職場に悪影響を及ぼした場合とは、就業時間内に公然と不倫行為を行って損害を与えるような行為をした場合や、職務上の立場を使って自分の不倫相手を特別な待遇で扱った場合や、関係先に噂が広まってしまった場合、マスコミによる報道がなされた場合、また、不倫関係が職場の同僚に広く明らかになって、あの人とは一緒に働きたくないなどと噂をされてしまっている場合のことです。

そのような行為は通常業務に支障をきたす行為として認識されますので、解雇されてしまう可能性が高くなる出しょう。

また、自分の職務上の立場を用いて、自分より立場の弱い相手と強引に不倫関係を結んでいた場合にはセクハラが認定されるので、そのようなことをして職場に残れる可能性は限りなく低いといえるでしょう。

解雇されなかったとしても、同僚との関係がぎくしゃくしてしまうことや、部署を異動させられてしまう可能性もあるということを考えると、自分の職業上の面からも不倫をすることがないよう注意を喚起するものとなるでしょう。

35.まとめ

私たちのごく身近にある不倫や浮気を実際にどれほどの割合の人が経験しているのか、男女比や警戒が弱まりがちな危険な年齢層についても考えることができました。

不倫は身近なものになってきているとはいえ、その実態は夫婦としての責任を放棄し、愛する配偶者やお互いの親族、子供たちを裏切る絶対にやってはいけない行為です。

不倫や浮気はその時は背徳感やスリルから幸福感を感じるかもしれませんが最終的には悲惨な結末になるということについても考えることができましたので、不倫の罠にかかって感情面、経済面、社会的地位などの面での大きな損失を被ることがないように注意しましょう。

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